立ち去る咲夜に目もくれず、俺は病室に入る。
あかりが俺を心配そうな顔で見つめている。
こんだけでかい声出したんだから、聞こえてて当然か。
あかりの目の前に来ると、さっきまでのイライラはどっかいっていて。
優しくなれた。
俺の様子に安心したあかりは、無理して起きてたんだろう。
すぐに眠りについた。
すやすやと寝息を立ててるあかりを見つめる。
その横にいるりなが俺を心配して呼ぶ。
「ゆうや…」
その顔を見れなくて。
俺はりなを直視できなくて。
「…俺はあかりを拾って来なきゃよかったのか」
そう、呟いていた。
いくら自問自答しても、結局答えの出なかったそれ。
俺があかりを連れてきたばかりにこんなことになってしまったんだ。
一番の加害者は俺じゃないのか…?
俯く俺にりなは優しく、諭すように語りかけた。


