「…大丈夫だ、大丈夫」
「………ゆうや」
“大丈夫”
呪文のように呟いたのは…きっと、自分自身を安心させるため。
病院に着くと、病室に飛び込んだ。
けたたましく開く扉と、俺の怒鳴り声。
病院だってことを忘れて俺はあかりをでかい声で呼んだ。
ベッドに横たわるあかりの顔色はよくないものの、こっちを見て目を見開いている。
俺はその横まで行って、あかりと目を合わせて。
呼吸してるあかりに心から安堵した。
よかった…。
無事だったんだ。
自分が刺されたことがわかってないあかり。
そのあかりに事情を説明した後、あかりはずっと黙って考えごとをしていた。
「あかり、職場にも連絡したから心配するな」
あかりが俺をぱっと見る。
さっきよりももっと目を見開いて、何でわかったの?って顔をしてる。
職場に連絡してないけど、きっとあかりのことだ。
心配してるはず。
後で連絡入れないとな。
それはそうと…。


