あたしの証~番外編~

家に到着するまで、俺は無言だった。


同じ様にあかりも何も話さない。



軽く息をついてから、自分の部屋の扉を開ける。
それから、あかりを通した。

リビングにあるソファに腰掛ける俺。
あかりはどこに座っていいのかわからないらしく、立ったまま戸惑っていた。


だから俺は

「…こっち」

そう言いながら自分の横を叩く。

あかりはそれに、顔を硬直させながらゆっくりと座った。


だけど、触れない様な距離にわざと座っていて。


それがいちいちムカつく。

引っ掻きまわして来たくせに。
あんな、タトゥー彫ろうとしてたくせに。


俯き、恥ずかしそうにするあかりの顎を持ち上げた。


絡む視線。
紅潮した頬。


その、唇に自分の唇を押し当てる。



ああ。
もう、止まらない。