あたしの証~番外編~

どんどんと出来あがっていくタトゥー。


俺の名前と、一輪のバラ。



静かに一点を見つめるあかり。




…俺。




やっぱり、あかりが好きだ。



どうしようもなく、性懲りもなく、また俺はそう思ってしまう。


裏切る為にあかりは今、いないよな…?



線が縁取られて、くっきりと俺の名前があかりの白い肌に浮き上がる。
そのすぐ横には鮮やかな、タトゥー。

他の人が入れたであろう、それ。



あかりに彫るのはあっと言う間だった。


五時間だったけど、すぐだった。


それはあかりも同じだったようで。

「嘘?もう?」

と、素っ頓狂な声をあげた。



彫る側はやる事があるからわかるけど、彫られる側がそう言うって珍しいな。