あたしの証~番外編~

なのに、何でまた名前なんて彫ろうとするんだよ。

それに…イラストにあった薔薇の下には、真っ赤な色でって書いてあった。


……意味わかってんのかよ。


俺は、そっとそのあかりの肌を撫でる。
すべすべのあかりの肌とは程遠い感触。



「……っくしょ…」


何故か、凄く悔しくて。

後悔なんて、したくなかったのに。


あかりに復讐出来た事を後悔なんてしてなかったのに。


……俺のした事をまじまじと見せつけられた様な気がした。



「怒った…?」

心配そうに、窺うあかり。


「……怒ってねーよ」

「よかった」


ぎこちなく、笑みをこぼすあかり。



もう、わかんねーよ。


「少し待ってて」


何も考えたくない。

彫る事だけ、考えていたい。