あたしの証~番外編~

とにかく、疲れた。


お客さんに挨拶して、見送ると俺は事務所の扉を開ける。



…中には紛れもなく、あのあかりがいた。


あかりを呼んだ後、すぐにきょうさんが外へと出て行く。


ちょっとね、とか言って、絶対何もない。
きょうさんが変に気を利かせたのはわかってる。


あかりは急に二人きりになったからか、固まっていた。
そんなあかりに声をかける。


「早く、座れって」

「あ、はい」


あかりはハッとしながら、慌てて施術台へと座った。


俺はそれをちらっと見てから、ぶっきらぼうに言う。


「…どんなん彫るの?」


あかりは考え込むようにした後、そわそわしながらカバンから何かを取り出す。


「簡単に絵に描いてきたの」

「は?」

「あ、下手くそだけど笑わないでね」


…絵?

あかりが?