あたしの証~番外編~

「なつき以外ダメなんだ!
お願い、お願いします…」


泣きそうな顔で頭を下げると、あかりは何度も何度もそう言った。


何で俺以外ダメなんだよ。

ちらっとあかりの肌から覗く、タトゥー。
それを彫ってくれた人に彫って貰えばいいじゃないか。


…俺以外に彫って貰ってるんじゃないか。


俺以外って、また、俺はこんな事考えてる。


「……いいよ」


何で、そう言っちゃったんだろう。

俺はあかりに彫りたくなんてないのに。


もう、忘れさせて欲しいのに。

俺のモノにならないなら、もう忘れさせてよ。



あかりを事務所に通すと、俺は施術に戻った。
動揺しちゃって、いつもより時間がかかってしまった。


きょうさんの方を見るが、何もなかったかの様な涼しい顔してるし。