あたしの証～番外編～

仕事が終わってから、俺はきょうさんに挨拶をすると職場を後にした。

外に出てから、携帯を取り出すとリダイヤルからあかりへと電話をかける。
だけど、一向に繋がらない。


「…さっきから留守電だな」


俺は繋がらない携帯の画面を見ながら、ぽつりと呟いた。



…何でだろう。
さっきから、変な不安が俺を包んでる。


こうやって、以前も電話が繋がらなかった時があった。



その日は、俺があかりを裏切った日だった。




電話に出たと思ったら、あかりの泣きそうな震えている声。
あん時の俺はあかりを裏切ろうとか、いいチャンスだとか。
そんなの一切思ってなくって。



ただ、あかりが心配だったんだ。

心の底から。



今が復讐する最適な時なんだと思ったのは、後からであって。