「いや、でも、まだ片付け…」

「そんなん終わり終わり」


しかめっ面のきょうさんが大袈裟に手をぶんぶんと振って言う。
それから続けた。


「俺にしてはよく我慢した!」

「え」

「何かあったのはすぐにわかった。
だけど、ずっとなつから言われるの待ってたんだぞ」

「………」


この数日間。

俺の様子がおかしかったなんて。


きょうさんにはお見通しなわけで。


すぐに突っ込みたかったのを、ずっと我慢していたのか。


「よし、後は俺が後でやっとくから行くぞ」


そう言うと、きょうさんは先に外へと出る。


ふうっと一息つくと、俺もそれに着いて行った。



行く場所はきょうさん行きつけの居酒屋。
案内されて席についた俺ときょうさんはとりあえず、生を二つ頼む。