あたしの証~番外編~

「………」


何も言わずに俺はベッドへと腰を下ろした。


「……夏樹…ごめん」

「…それは何の謝罪?」


そう返すと、しほはまた口を閉じた。


流れ落ちる涙を一拭いしてから、しほはぽつりぽつりと話しだした。


「…私…夏樹が本気で好きなの…」

「……」

「あかりって子が憎かった。
何も知らないで、傷付けてたのに、今は彼女って位置にいて…。
二番目でもよかったのに。
必要とされるだけでよかったのに…」




しほの…本音。
今まで、どれだけ溜め込んでいたのだろう。


好きなのに報われない気持ち。
苦しくてたまらなかっただろう。


「ごめん…。
もうね、私…限界だった」

「………」

「夏樹にはもう会わないから。
忘れるから」


しほは散らばった衣類をまとめると、カバンへと突っ込む。
それから立ち上がって、何も言わずに玄関へと向かった。



「…しほ!」



その後ろ姿がぴたりと止まる。
続けて声をかけた。