あたしの証~番外編~

家からすぐ近くにある公園まで走って行く。
全く違う方向を探していた。

くそ、こんな近かったなんて。



見慣れた公園のベンチにぽつんと、あかりが座っていた。



「…あ、かり…」


息を切らしながら、俺はあかりの名前を吐き出す。

あかりは俺に気付くと、おびえた瞳を見せた。


悪態付きながらあかりに近付くと、あかりは震えた声で


「……なつお…浮気してるの?」


そう、俺に問いかけた。


それに、俺の体が固まった。




あかりの顔を再度見る。

月明かりに照らされた彼女の顔は、何処か諦めたような、ふっ切ったような顔に見えた。



「…どういうこと?」


自分で言ってて、笑ってしまいそうな言葉。
あれを見て、わかんないだなんて。

あかりにそれを言わせるだなんて。


なんて、酷い男だ、俺は。




「………しほさんがマンションから出てくのを見た。
なつおの部屋には女物の洋服があった。
だから…浮気してるのかって」