それからね、付き合う事になって。


何故か、ドキドキしたりして。


だけど、その気持ちに気付かない振りして。
俺は何度も何度もしほを抱いた。



だって。
一緒にいる時の木下あかりは。


過去、俺が好きだった木下あかりそのものだったんだ。


毎晩毎晩。

考えては考えては。



決して消える事のないタトゥーを眺めた。

そして、思い出す。


“俺は木下あかりに復讐する”


そう、思い出す。


「なつお、泣き過ぎ」

「だって、これで泣かないだなんてあかりのがおかしい」

「ええ、だって。子犬が死んじゃうだけじゃん」

「だけって…それが泣けるんだろ」

「わかんなーい」


デート中けらけらそうやって、笑うあかり。




ここで。


俺はお前を好きじゃないって言ったら…


どうなるかな。