断る木下あかりを俺は無理言って送る。

木下あかりはずっとさっきから黙ったままだ。



ずっと。
聞きたかった。



「俺…変かな」



ずっと、ずっと。

君に聞きたかった。


「いや、俺中学ん時すっげーデブだったし。すんげー痩せて、こんなんで」


俺は彼女にどんな答えを求めているのだろうか。

おかしいと、そう罵ってもらいたかったのだろうか。


そんな気持ちとは裏腹に、木下あかりは

「今のなつお、ちょーいいと思う」

なんて笑顔で言ったんだ。


それに、嬉しいと思う反面。
苦しいと思う。


どうして、こうも彼女の言葉は俺にストレートに入ってきて。
傷付ける?


復讐したいと言う気持ちと、彼女と一緒にいたい気持ちと。


交錯してはぐちゃぐちゃになる。
何だろう、この感情は。


どうして、木下あかりをもっと知りたいと思ってしまうのだろう。


これからが復讐の始まりなのに。