あたしの証~番外編~

俺は走って哲の家まで向かった。

野々山道場と書かれた看板の横にあるインターホンを押すと、哲の明るい声がした。


「はーい」


「夏樹」


「おーー来たね~いいよー勝手に入って」


勝手に入って、俺は哲の部屋まで歩き進める。

哲と、信司の馬鹿笑いが聞こえる。
その部屋の襖を俺は開けた。


「あ」
「お」


信司と哲は俺を見て、口を開けたまま動きを止める。


「なんか、楽しそうだな」

二人を見て、俺がそう言うとまた信司が吹き出した。


「何、何」

それがわからなくて、俺は二人の間にあぐらをかいて座ると顔を交互に見る。


「こ、これ」

そう、渡した雑誌。


……そこに載ってたのは、拓斗だった。

載ってるのはファッションスナップ…????


パンチでいかつい格好で、中指を立てているその写真。

「ぶっ」


すぐ隣には、ギャル男風の茶髪に明るい洋服で合わせている。
その反対には、黒髪短髪で爽やか笑顔を見せている。


…その中での拓斗は完璧浮いていた。