「いらっしゃい。
何、哲までいんの?」
貴さんは俺と哲を見てそう言った。
「はい、俺夏樹の保護者なんで」
「はあ?!」
哲は得意気にそう言うけど、俺は保護者だなんて思ったことねえよ。
「ぶっ、ははっ、そうか。
まあ、いいよ。
じゃあ、戸川君入ってくれますか?」
「あ、はい」
促されるまま、俺は中に進む。
寝る用の台があって、そこに横になれと指示されたから素直に横になった。
「哲、時間かかるけどそこいんの?」
備えつけられた椅子に座る哲に、貴さんは尋ねた。
「もちろん」
哲が即答すると、貴さんはしょうがないなという風に笑って何も言わずに準備を始めた。
五分ほどして、準備を終えた貴さんが俺の横に座ると
「始めますよ」
そう言った。
俺は静かに頷く。
ちくっと、俺の体に針が刺さる。
痛くなんかなかった。
この痛みより。
俺の心の傷の方が果てしなかったから。
俺は痛いなんて思えなかったんだ。
それから全てを入れるまで誰も口を開かなかった。
何、哲までいんの?」
貴さんは俺と哲を見てそう言った。
「はい、俺夏樹の保護者なんで」
「はあ?!」
哲は得意気にそう言うけど、俺は保護者だなんて思ったことねえよ。
「ぶっ、ははっ、そうか。
まあ、いいよ。
じゃあ、戸川君入ってくれますか?」
「あ、はい」
促されるまま、俺は中に進む。
寝る用の台があって、そこに横になれと指示されたから素直に横になった。
「哲、時間かかるけどそこいんの?」
備えつけられた椅子に座る哲に、貴さんは尋ねた。
「もちろん」
哲が即答すると、貴さんはしょうがないなという風に笑って何も言わずに準備を始めた。
五分ほどして、準備を終えた貴さんが俺の横に座ると
「始めますよ」
そう言った。
俺は静かに頷く。
ちくっと、俺の体に針が刺さる。
痛くなんかなかった。
この痛みより。
俺の心の傷の方が果てしなかったから。
俺は痛いなんて思えなかったんだ。
それから全てを入れるまで誰も口を開かなかった。


