「夏樹っ?!」


俺の腕の中で慌てるしほ。

「…ちょっと黙ってて」


「…………う、ん」








…………………












…………ドキドキしない。


ちっとも。
これっぽっちも。







………………しほ。




ごめん。
ごめん。









俺、しほのこと…。
これから利用する。




……ごめん。
俺のこと好きになったばかりに…。






真っ赤なしほが可愛いとは思ったけど、愛しいとは思えなかった。




俺の中でのしほへの想いはあの時。


しほに振られた時に消え去ったみたいだ。