こんなんで。
木下あかりを裏切るなんてこと出来るのか?
最後の最後で冷酷になれない俺に。
………だから。
タトゥー彫らないとだよな…。
図柄はまだ漠然としかしてなくて、はっきりと決めてたわけじゃない。
だけど、“あかり”と入れようと思った。
そして、それを利用しようと。
この時はまさか、俺が木下あかりにタトゥーを彫るなんて思ってもなかったけど。
きょうさんに会ってから、その考えが加わったんだ。
…………決意あるタトゥーを俺は復讐に使ったんだ。
また、軽やかなメロディーが俺のポケットから鳴る。
取り出して見ると、しほからの返信だった。
【一緒に哲はいないの?】


