「夏樹、テンション低いぞっ! ねーねー見て見てー」 「………」 何も言わない俺の前に座って勝手に話を進めてる哲。 その手には雑誌があった。 「今日発売なんだよね~これ。朝からコンビニで買ってきたあ」 「ふうん」 哲が毎月買ってるらしいメンズファッション誌。 パラパラ捲る雑誌に興味がない俺もとりあえず目を向ける。 そこで見つけたんだ。 タトゥーを。 「………ちょ、見せて」 「え?」 一人のモデルが腕に龍を入れていた。 ……………これしかない。 そう、確信した。