目を開けた俺から流れた涙。 それを指でなぞる。 …俺は復讐、したくないのか? 俺の気持ちをふみにじって。 …………許せない。 許せないんだよ。 揺れる気持ちを戒めるように俺は首を振った。 何か。 俺に揺るぎなく決意させるもの…そんなものはないのだろうか。 ぼんやり考えて、俺はシャワーを浴びに行った。 「おっはよー!」 「……はよ」 学校に着くと、いつものようにテンションが高い哲。 俺に向かって弾んだ声で挨拶をしてくる。 気分が乗らない俺は、とりあえず返事だけした。