『2組 姫川優子』

「2組か。」

私の名前は姫川優子。

今日は入学式。
華やかな高校生活のはずが…。

「オラ~!」

ボコッ…

私の目の前で起きた突然の喧嘩。
まぁ仕方ないか…。

なぜならここは有名なヤンキーばっかりな学校。

校則なんてないし、誰でも入れるちょー緩い学校なの。

私がわざわざこの高校を選んだわけは家から近くて、何より…制服がすっごく可愛いから!!!
これぞ私が求めてた制服!

私はなめてた。
この高校のことを。

ヤンキーって言ってもそこまでではないだろうと。

でも体育館に入った瞬間、私の頭は真っ白になった。

だって…

体育館一面、全てチャラい人ばっか。
髪の毛もすごい色。


っていうか、私はどこに座ればいんだろ。

私が1人で戸惑っていると、

「よっ!自分の好きな席に座っていいらしいぜ!」

急に私に声をかけてきた緑色の髪の毛の男。

みるからにヤンキー…

「そっか…ありがと」
私はその男の隣に座った。
その姿にその男は目を見開いた。

何でビックリしてんの?

「お前、俺のこと怖くないのか?」

「えっ?」

「だってこの見た目だぜ?みんな俺のこと怖がって全然近寄って来ねーんだよなぁ~。」

「確かに外見はちょっと怖いかも。」

「だろ?」

ヤンキー君は笑いならがら言った。

「でもさ…」

「ん?」

「人は外見じゃないよ。どんなに見た目が怖くたって、大切なのは中身なんだから!」

そう…大切なのは中身。
これだけはみんなに知っておいてほしい。
もう…こんな事で前みたいになってほしくない。

「そっか。お前いい奴だな!お前名前は?」 

「姫川優子」 

「俺は翔!姫川優子…どっかで聞いたことある名前だなぁ。 まぁ、いいや!じゃー姫川優子だから『姫子』な!」

姫子って…
ま、いっか。

「うん、翔!よろしく!」

ここで私は早くも友達第1号が出来た。