【短編】手、繋いでもいいですか?
















「いつもはヘタレなのに今日は何か男らしいね」


「お前はいつもと違ってしおらしいじゃん」


「「うっせ」」






見事に言葉がハモって、お互いに顔を見合わせて


吹き出した。








あぁ、私は彼のこうゆうとこに惚れたんだった。



ヘタレのクセにたまに男らしいとこに。


いつも笑ってアタシの傍にいてくれるとこに。


アタシの小さい悩みも包んでくれるぐらい大きな優しさに。








やっと手を繋げた。







「俺の方が手汗やばいかも・・・(不安)」



「あははは」







手が冷たい人は心が温かいなんて誰が言ったんだろ?


あんなのガセだ。





だって、ほら彼の手こんなに温かい。


彼そのものみたいで。








手・・・離したくないな・・・。









すると彼が・・・








「今日はちょっと寄り道して帰りませんか?」




「喜んで」