幻聴じゃない・・・彼だ。
心配そうに私を見つめる彼。
君を傷つけたアタシのことなんか放っておけばいいのに。
アタシ意地っ張りだけど
泣いてる時の優しくされると
余計に泣いちゃう子だって君は知らないでしょ?
もう、何でそんなに優しいのよ、馬鹿・・・。
彼の優しさにさっきとは違う痛みに変わった。
ぎゅーってあたたかい痛みで。
「胸が・・・痛い・・・」
「泣くほど痛いのか!?
親御さん呼ぶか? いや、救急車呼ぶか?」
「違っ・・・違うの・・・」
泣きながらぶんぶんと顔を振るアタシ。
「え?何が・・・」
「恥ずかしかったの!!!」
