蓮side


強すぎる。
ただそう思った。

無駄のない洗練された動きは族つぶしをしている間に身につけたものだろう。


「ごめん。僕、全然敵わなかった。」


「気にすんな。皆おまえを責めない。」


俺だって、あの二人に勝てるか分からない。


もしかしたら、凛龍は破滅の道をたどるのかもしれない。


少し、背筋がぞっとした。


白桜がこちらにゆっくりと歩いてくる。


『俺の相手は、蓮を指名するよ。』