『あげるから。早くどっか行って。』



そうすると佐野唯は驚いた顔をして私を見てきた。



「いいの?」



なにこいつ。あげるって言ってんのに。



『うん。あげるから…「ちがくて!」



私の声を遮った。



「僕に媚び売らなくていいの?」



『は?』



佐野唯って、馬鹿なのだろうか。