ママには
あの時スマホを奪って来たおかげで

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to:ママ

件名:美佑です。

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今日は
優奈のお家に泊まります。

黒薔薇に復帰させていただきます。

美佑
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送信…と。

みんなに合わせる顔ないや…

「美佑、どしたの?」

「なっ、なんでもないよ…!
私、変な顔してた?」

「いっ、いや…別に?」

「久しぶり…だね。
こんな形で優奈に会うなんて
なんか…情けないや…」

「べっ、別に…さ!
情けなくなんかないよ!
羨ましい!うち…お母さんいないし…
あ、ごめん!暗くするつもりじゃなか ったんだけどさ!ごめんね?」

「なっ、なに二人して謝ってるんだろ
私たち…変わって…ないね…」

「美佑は変わったでしょ!?」

「そっ、そうなのかな…
もっと、普通の暮らししたかった…
なんで…こんな家に生まれたんだろ う。わかんないや…」

ポロッ…
なんか目から…て、あれ?
私泣いてる?
こんな歳して泣くなんて
恥ずかしい…

「わたしが…ついてるからね?
だから、美佑…泣かないで?」

「うん…涙止まんない…」

「もう。昔から世話焼かせるなぁ…美佑
は」

今日はいろいろあった。
でも、
なんかどうでもよくなった。

昔からの友達、大好きな親友の
優奈がそばにいたんだ。

でも大好きな優奈が
まさかああなるとは、
誰も思っても見なかった。