まだ肌寒さが残る4月の朝新学期、登校中、少しずつ温かくなる気温に気持ちは急降下…

「あと一年…かあ」
俺は今年から中学校最後、三年生になる。

突然だけど、俺には片思いしている相手がいる。

『そうだね。あと一年だあ…早いよね~ あ、桜』

俺にとってのあと一年の意味をきっと理解できていないであろう親友のめい

綺麗な黒髪、透明感のある顔立ち。すこしふっくらした体。
ドストライク。完璧。超俺のタイプ。

桜を眺めながら歩くめいの手を握る。

『なんかデートみたい笑』

「デートだよ」

『私が彼氏?笑』

「俺に決まってんじゃん」

『そっか笑』

ふと見上げる空、舞い散る桜とめいが被る。

「めいってさあ…桜に似てるよね」

『なにそれ、初めて言われた笑』

風が花びらをさらっていく。

『あ、メールだ。』
「誰から?」

『りこちゃんだよ、あ!うちらクラス一緒だって!』


特別な一年が始まった。