スッキリした。

青い炎だけじゃ物足りなくて、黄色とか紫とか、花火モドキを作ってしまった。

これも万能の魔法師の生み出した魔法! とか何とか言われてるけど発案は当然わたしじゃない。

もろ理科の分野だし。


まあそんなことはとうどうでもいいよね。

それよりも、もう夕食の時間になる。

わたしは魔力をまた体の中に押し込めて、屋敷に戻った。


そして夕食も終わったら自室に戻る。

今日学園で出された宿題を終わらせるんだよ。

中学二年生がやるには少し簡単な気もする比の計算。

あとは歴史。これがまたレポートなんだよね。

まず間違いなく真希に見せることになるから、それなりに間違い、というより不足は少なめにする。

丸写しの真希がいけないんだけど、あんまり適当なレポートじゃあテストとかで困るだろうし。

丁寧にやる分にはわたしは困らない。

「確かクリフ王の妹が恋愛がらみの嫉妬を隣国バリアスに向けた挙げ句に戦争を企んでいることを六代前の氷の魔法師リーツァが悟って──
ああ、ここまでは求められてないか。王族が戦争を企てたが失敗、と。」


学園で習う歴史って退屈なんだよね。

派手な事件だけ繋げて、理由とかそこに至る過程とかがざっくりしすぎてて。

クリフ王の妹の恋愛は不思議なことに成就したこととか、何で!? って感じで面白いのに。


よし、宿題終わり。

あとはお風呂入ってからお仕事片付けて、寝よう。

あ、お仕事っていうのは父の手伝いのことね。

これでも海先家の一人娘だから。

少しずつ仕事を任せてもらってる......

......訂正。次々に押し付けられるようになってる。

はっきり言ってしまえば父が真面目な仕事をしてるのかが疑問。

もういつでも公爵家を継げますよって感じだね。

書類上の仕事だけじゃないからね、任せ(押し付け)られる仕事は。

たまに魔法師のわたし宛の仕事なんかもあるけど、今日はない。

まあ、いいや。とにかくお風呂入っちゃおう。



もう寝ます、お休みなさい。

お風呂と仕事?

終わったよ。

わたし寝るのが幸せなの。

やることやったらあとはとにかく睡眠に時間を回すの。

だから、お休みなさい。





わたしは、こんな平和な生活が掻き回されるなて、まだ知らなかった。

あの男さえ来なければな......