告白をされてからギャレットはあの夜に言った通りに毎日口説くようになった。ケネスがいない隙を狙っては口説いてくるので、ジュリアは動揺するばかりだった。
 仮にケネスがいなくなって、ギャレットと二人きりで寝食を共にするようになったら、それこそジュリアの心臓はもたないかもしれない。

「ギャレット、前より表情が変わったわよね」
「そ、そう?」
「前は悪い顔を見せていたから」

 それはギャレットの性格の悪さと吸血鬼だからなのではないかと、ジュリアは考える。
 記憶が完全に戻っていないから、まだわからないことがたくさんある。

「ギャレット、ケネスがいても私のことを口説くようになった」
「好かれる女の子は大変ね」

 笑いながら言われ、ジュリアは頭を抱える。

「エリー、他人事みたいに言わないで」
「ふふっ、ごめんね」

 それからエリーは相変わらずウィルとの惚気話をしていた。ウィルはギャレットとケネスにエリーとの惚気話を聞かせているようだったので、お互いに苦笑いと疲れが出るだろうと予想した。
 エリーとウィルを救ってから、カーシーに夢を見せてもらっていなかった。祭の日からしばらくの間、カーシーの姿を見ていなくて、ある日学校で偶然会った。