小さな主人と二人の従者~眠る前に~

 前の自分だったら、きっと嫌がっていただろう。
 だけど、今の自分は嫌でないので、その約束を交わす。

「良かった。拒んだら、どうしようかと思った・・・・・・」
「周りをいじめなかったら約束する。特にケネスを!」
「ええ~!?」

 ギャレットが大声を上げてショックを受けている間に、ジュリアは布団の中に潜る。
 ケネスをいじめなかったら出かけるのに、それができないギャレットはまだ幼い部分がある。
 ジュリアが静かに布団から顔を出すと、ギャレットは布団に顔を埋めるようにして、眠っている。名前を呼んでも、起きる様子が全くないので、彼の手にキスを落とす。

「おやすみ。ギャレット」

 ジュリアが完全に眠った後で、ずっと起きていたギャレットがゆっくりと双眸を開けた。
 まさかジュリア嬢からしてくれる日が来るなんて、思いもしなかった。
 刻印のことを思い出したギャレットはそれを確認する。
 ジュリアがギャレットに愛を示したので、花を囲んでいる輪が消えて、綺麗な花が咲いている。

「おやすみ、ジュリア嬢」

 ギャレットはその花に口づけをしてから、ジュリアをそっと抱きしめて眠った。