息が上がる。 空港の長いロビーをかけぬける。 遠くに成美のうしろ姿が見えた。 【成美っ!!!!】 成美がびっくりしてこちらを振り向く。 【…ハルっ!!…どうして?】 おれは走るのやめて、膝に手をついて肩で息をした。 【ハァハァハァ…成美…】 息がなかなか整わない。それでも成美のほうに一歩足を踏み出した。 【…来ちゃだめっ!!】