男の姿は異常だった。

ゲームの中に出てくる魔法使いが着ているような黒いローブを着て、左腕には金色の三連ブレスレット。左手の指には赤や青の宝石がついた指輪を5本の指にしている。

顔は、切れ長の黒い瞳、高く通った鼻筋、中々の美形だ。長い黒髪は、ヒルの髪よりも艶やかに見える。

「これ、旨いな…。」

うっとりした顔で、その男は呟いた。

「だ、誰。アンタ?」

恐る恐るヒルが尋ねる。