「こちらが資料になります」
神田さんと関口さんが楽しそうに話しているところ悪いけど、
今回の目的である僕が作った資料を関口さんに差し出す。
「あぁ、これね~。ありがと~」
僕に笑顔でお礼を言ったのに、資料は横に置いて見向きもしない。
…僕結構頑張って作ったんだけどな。
少し落ちていると、神田さんが笑った。
「関口さん、資料見てやってよ。こいつ、頑張ってたんだから」
「あら、ごめんねぇ。資料見なくてもHOT HEARTは呼ぶつもりだからね~」
そう言いながら僕の作った資料に目を通してくれた。
売り込みに来なくても、HOT HEARTの実力は分かってる、そういうことなのかな。
それもこれも、神田さんや有村さんがきっとここまでHOT HEARTを支えてきたからなんだろうと思った。


