あたたかい場所


「道はな、ここ見たらいいから」

シートベルトを締めて、神田さんが指さしたのはナビ。


ナビ通りなら、大丈夫。

「これ資料?」
「そうです」


「見ていい?」
「どうぞ」


僕が後ろに積んだ紙袋を神田さんが取り出す。


車を発進させて、神田さんが資料を見つめている間少しドキドキしていた。





僕が作った宣材資料だし、もし神田さんの気にそぐわなかったら…