「青山ー、行くぞ」
神田さんの付き添いで今日は初営業。
といっても、大手テレビ局のプロデューサーと神田さんは気が合うらしく
毎回の営業もすんなりと行くらしい。
神田さんは、HOT HEARTの仕事の関係者には接待でも何でもするのだと、有村さんが教えてくれた。
それは当たり前なのかもしれないけど、僕から見れば神田さんが影の努力者に見えた。
「お前運転できる?」
「はい。一応」
「じゃあ俺助手席のるわ」
そう言って神田さんが助手席に乗り込んだ。
運転免許は大学の時に取って、大阪にいた時は父さんの車に乗ったりしていた。
数か月ぶりに乗るけど…大丈夫だよな?
少し不安だったけど、もう手遅れだと思い、運転席に乗り込んだ。


