「何これ。めっちゃ美味しいやん」
「簡単だよ。美紗でも作れる」
「美紗でも、ってなんや。で、どーやってんの?」
「オクラ塩茹でして、こんにゃくと竹輪を醤油で炒めて。
ご飯の上に乗せて、卵割るだけ」
簡単なレシピを口頭で伝えてやったけど“ふーん。うちには無理や”とやる気のない返事が返ってきた。
「また作りに来てー」
「美紗ん家ってどこ?」
「そんな遠ないよ。地図出して」
そう言われたから、スマホの地図アプリを起動して美紗に向ける。
右手で丼を食べ続けながら左手で画面を数回スライドさせて僕に見せてきた。
「ここ。近くにな、隠れ家的なご飯屋さんがあってな。そこめっちゃ美味しいねん。
今度、絶対連れてったるわ」


