「いえ、大丈夫ですよ」 「ありがとう。美紗、いっつもこうなのよ」 知ってます。 なんて言葉は言えない。 美紗は言いたいことは何でも言う。 そういう性格なのは知ってるし、もう慣れた。 「あ、美紗。新曲の打ち合わせしようか」 デスクで書類をまとめていた有村さんが言った。 「はーい。でもちょっとだけ歌ったらあかん?」 「いいよ。私にも聞かせて。あ、ユリアも聞いて行く?」 「聞く、美紗の歌生で聞くの久しぶりだし」 「じゃあ青山くんもどう?」 有村さんが気を利かせて言ってくれたけど…