「新入社員ですか?」 「はい。あの、敬語はやめてください。僕に使って頂くのは申し訳ないです」 「そうですか? 普通の方がやりやすいかな」 「はい」 「分かりました。よろしくね」 「よろしくお願いします」 握手を求められたので、応じる。 ユリアさんの手は白くて華奢で、女性らしい手だった。 「なんか可愛いね。青山くんって」 「え?!僕がですか?」 「うん、可愛い」 ユリアさんが僕の反応を楽しむみたいにクスクス笑う。 可愛いなんて言われたの、初めてだよ…