有村さんと神田さんがKAKERUさんとHARUKIさんを連れて帰ってきたのは、午後一時を回ったところだった。
「青山くん、進んでる?」
「はい。これでいいですか?」
有村さんがパソコン画面を覗き込む。
「オッケー。これからも任せるからよろしくね」
「はい」
「これ俺らのスケジュール?」
後頭部の方から聞き慣れない声が聞こえて振り返った。
そこに居たのはHARUKIさん。
「あ、初めまして。HARUKIっす。本名は後藤です」
八重歯を見せて笑うHARUKIさんは近くで見るとより格好良かった。
「青山聡です」
立ち上がって名刺を渡す。
「よろしく。あー、来月も忙しいな」
HARUKIさんが僕のパソコンを覗き込んだ時、HARUKIさんの頭にこつんと誰かの拳が落ちた。


