あたたかい場所


「あの、コーヒーここに置いておくので」

部屋を入ってすぐの小さなテーブルに美紗と彩芽さんの分のマグカップを置く。


「ありがとう。美紗、飲も?あったかいうちに」

「うん。ありがとうな、青山くん」

彩芽さんと話しているとき、静かにギターを弾いていた美紗が顔を上げた。


その美紗の顔は、意地悪そうににやり、と笑っていた。


「あ、ちゃんとブラック!知ってたの?」

彩芽さんが嬉しそうに笑顔を向けてくる。



「社長から伺いました」

「そうなんだ~、ありがと」


「いいえ」