「…待たせた?」 僕の声に振り返った美紗は、何も言わずにそのまま酒を飲み続けた。 「呼び出しといて無視かよ」 美紗の向かいのソファに座る。 長い沈黙のあと、美紗が口を開いた。 「約束、破ったやん」 「…忘れてると思った」 「そんなわけないやろ!」 久しぶりに聞く美紗の関西弁が心地よかった。