「私がこの事実を隠した。
いつしか掘り返してはいけないことにもなってたわね。
…どうして?翔。どうして話したの?」
社長はきっと、これが聞きたかったんだろう。
そりゃあそうだ。ずっと公にはしていなかったことが今更悪い形で判明してしまったんだから。
しかも、メンバーの口から話されたことによって。
さっき翔さんが僕に言おうとしたことも、これだと思う。
どうして話したのか…明かすのは今だ。
「絶対、話したくなかった。口を割らないつもりだった。
だけどもう…美紗を傷つけるのは嫌だったんだよ!」
いつも冷静な翔さんが大きな声を出した。
顔は真っ赤になっていて、悔しそうに唇まで噛んでいる。


