あたたかい場所



「翔、あなたも自宅待機って言ったわよね」

社長が強い口調で言うと、翔さんは軽く頭を下げて謝った。


「まぁいいわ。聞きたいこともあったし」

社長は手に持っていた週刊誌を開いた。


「伏見という記者は私も何度か名前を聞いたことがあったわ」

翔さんとあの日一緒にいた…あのにやけ顔は、想像するだけでも寒気がする。



「翔の所に来たのね?」

「ああ、無視したら良かったんだろうけど、


あの時はなぜか逃げちゃいけないような気がしてた」


「ここに書いていること、全て翔が話したことでいいのね」


翔さんは静かに頷いた。