「おい、青山!突っ立ってないで電話出ろ!」
「は、はい!」
僕に気づいた神田さんに怒鳴られ、手前にあった電話の受話器を取った。
「…もしもし」
「あの週刊誌のことって本当なんですか!?」
「え、えっと…」
「こんなの、裏切りですよ!
今まで応援してきた私たちは何だったの?
馬鹿にしないで!」
一方的に切られた電話。
今のは芸能関係者でも、出版社でもない…
HOT HEARTのファンだ。僕にはそれが分かる。
電話の相手は、責めるような声だったけど、悲しみを含んでいるのがよく伝わってきた。
僕は神田さんに駆け寄って、週刊誌がないかと聞いた。
もうここまで来て、知らずにいるわけにはいかない。
「お前、知らないと思うから、驚くと思うけど…」
熱愛報道の時と同じように、三角に折られたページに目を通す。
だけどそこには、熱愛報道なんかとは比べものにならないくらい衝撃なことが書かれていた。


