「…翔さん」 頭を抱えるように俯く翔さんに声をかける。 顔をあげた翔さんは、僕が居ることに驚いているみたいだった。 「座ってもいいですか?」 「…いいよ」 さっきまであの怪しい男が座っていた椅子に腰かける。 翔さんはいつもと全く違う様子で、頻繁にため息をついていた。 「あの男、誰なんですか?」 「…」 「翔さんの知り合いですか?違いますよね?」 「…名前は、伏見。記者だよ」