あたたかい場所



「あれ?青山くんは?」
「取ってきます」

僕の美紗からのプレゼントは、店の入り口に置かせてもらっていた。

ちょっと大きすぎて、抱えるのが大変。
両手いっぱいに抱えて皆の所へ戻ると、当然驚かれた。

美紗に渡すと、体が小さい美紗はもう隠れられるぐらい。

「めっちゃ重いし。ほんま、何?」
嫌な予感でもしているんだろうけど、普通に喜んでくれるはず。

ただ量が多すぎるだけであって。



「入浴剤か!」

美紗は袋の中から丸いピンクの入浴剤を取り出した。

僕から美紗へのプレゼントは、大量の入浴剤。

毎日忙しくて大変だろうし、リラックスできるのは風呂かなって。


だから百貨店に行って、手当たり次第カゴの中に入浴剤を入れて行った。

会計の時店員に、ジロジロ見られたのは言うまでもないけど。


「ありがたいけど、うちの持って帰る時の大変さ考えてないやろ」

「とりあえず五倍にすることだけ考えてた」

「量、十倍以上やんか」



いろいろ文句は飛び出しながらも、美紗は嬉しそうにしてくれたから、セレクトは正解だったと思う。