「美紗、これ社長から」
僕は社長から預かっていた美紗へのプレゼントを渡した。
小さな箱のリボンを解いて中を取り出すと、白い革の箱。
「なんやこれ、プロポーズかいな」
美紗がプッと吹き出して言ったことは、多分皆が思ったこと。
革の箱に付けられた鍵を緩めて箱をあけると、そこにはファッション性の高いクロスのネックレスが入っていた。
多分スワロフスキーっていうやつなんだろうけど、安っぽくない光がキラキラと輝いている。
これまた、美紗の好きそうな…。
「これ、多分一点物だよ。社長最近、どこかへ出かけてることがあったから」
言われてみれば、社長は行先を告げずにサラーッとどこかへ行っていることがあったっけ。
それは美紗のプレゼントを作りに行ってたのか…
「なんか、なぁ…。照れんねんけど」
どんな反応をしていいか分からない美紗はとりあえずLINEで社長にお礼を言うことにしたらしい。
