「青山くん、そっち持って~」
「あ、はい」
10月末の今日は、美紗の誕生日。
あのことがあって、元気がなくて誕生日すらもきっと忘れているであろう美紗に、
サプライズパーティーをしてあげようということになった。
場所はビルの中のバー。
僕が美紗と再会した日、話をした場所だ。
美紗を心配する社長がバーのオーナーに話をしてくれて、店を貸切にしてもらった。
一般人の客を気にせずに、パーティーが出来る。
そんな社長は、忙しくて来れないらしく、美紗へのプレゼントは僕が預かった。
社長、本当はすごく来たかったんだろうな…


