「弱いんやからあんま飲まんときぃな」
「うるさいなぁ~!美紗~!」
「ちょい、絡まんといて!」
彩芽さんは少しふらついた足取りで美紗の方へ歩き出す。
美紗は嫌がって、向こうの柵の方へ行ってしまった。
ごろん、と彩芽さんが美紗の座っていたチェアに寝転がった。
「彩芽。寝ないでね」
「何でですかぁ~、社長~」
「あとで重大発表があるから」
「重大発表~?」
“とっても大事なね”と、社長は満足気な表情をしていた。
重大発表って、なんだろう。
彩芽さんはこの様子だから知らないのかな。それとも酔って忘れてるだけなのかも。


