僕は美紗の隣に座って、チーズを食べながら花火を見ていた。 花火をこんなにゆっくり見るのは久しぶりだった。 小学生の時は、僕の家族と美紗の家族が一緒になって地元の河川敷に見に行ったな。 中学生の時は、美紗が反抗期で無理矢理連れ出されたんだっけ。 高校生の時は、友達何人かで集まって見に行って… なんだ、結構花火の思い出あるじゃん。 そこにはいつでも、美紗が居て… 昔の美紗も芸能人になった美紗も、何も変わっていない。 それはこっちに来るまでの僕が、確かめたかったことでもある。