「美紗、美紗!」
サングラスとマスクを外してやると、目を擦ってむくっと起き上がった。
「…何?」
「家着いたから。車どこに停めればいい?」
「えっと…24番」
まだ眠そうな美紗だけど、少し寝ただけで酔いは醒めてきているみたいだ。
24と地面に白い字で書かれている場所を見つけ、駐車をする。
…うまくいかないなぁ。
「まだでっかー?」
呆れたように言う美紗に気持ちが焦る。
神田さんと売り込みへ行ったときにも、出来なきゃ格好悪いって言われたよな…
何十回と、入れ直しをしてやっと綺麗に駐車することが出来た。
不満そうな顔をする美紗を見て、練習しなきゃいけないな、と思った。


